展示構成

  • サンティアゴ・デ・サンティアゴ・エルナンデス《抱擁》🍎ジュリアーノ・ヴァンジ《偉大なる物語》 🍎カール・ミレス《神の手》

篠山紀信が撮り下ろす、初めてのオープン・エア ミュージアム

 彫刻の森美術館に展示されている彫刻作品。ヘンリー・ムーアをはじめ、エミール=アントワーヌ・ブールデル、カール・ミレス、ジュリアーノ・ヴァンジなどの当館を代表する野外彫刻の数々が、四季折々の箱根の大自然と調和しながら展示されています。
 篠山の視点で撮り下ろした写真の数々は、思いがけない発見を観るものに提示し、新しい発見を促すことでしょう。篠山の写真が織りなす彫刻たちの物語を堪能してください。

KISHIN meets Sculptures

  • ヘンリー・ムーア《No.1》🍎ヘンリー・ムーア《ふたつに分けられた横たわる像:アーチ状の足》🍎ヘンリー・ムーア《横たわる像:アングル》🍎ヘンリー・ムーア《ファミリー・グループ》

ヘンリー・ムーア コレクションと篠山の出合い

「…ひとたび野外に出て陽を浴び、雨に打たれ、雲の移り行きを感ずるときは、彫刻も生活の一部であるということがよくわかる…」
 当館の国際公募展「ヘンリー・ムーア大賞展」創設時(1979年)にムーアから寄せられたメッセージです。このムーアの言葉は、そのまま当館の指針にもなってきました。
 今回、篠山はヘンリー・ムーアの作品群と向かい合いました。ムーアのメッセージは、篠山を通してどのように解釈されたのかを、本展で余すことなく紹介します。

KISHIN meets MOORE

アーティストたちへのオマージュ、シノラマの大迫力

篠山は様々はアーティストの仕事場を訪問しています。本展では、篠山と交流のあったアーティストから選りすぐった28名を展示空間に合わせてダイナミックな大画面で紹介します。
 特に見ごたえがあるのが「シノラマ」による写真となります。「シノラマ」とは、「シノヤマ」と「パノラマ」を結合した篠山によるジョイント写真の技法で、多くは3台、場合によっては9台といったカメラを、カメラ・スタンドで結合して一斉にシャッターを切ることで、高精度かつ複眼的な写真表現を生み出します。さらに視点を複眼化することで、自然な写真描写とは違った写真の虚構性を強調した世界が広がります。
 草間彌生、バルテュス、オノ・ヨーコ、横尾忠則、イサム・ノグチ、森村泰昌など美術史を彩るアーティストたちの世界が繰り広げられます。

KISHIN meets Artists
  • Chim↑Pom エリイ🍎オノ・ヨーコ🍎バルティス🍎フランク・ステラ🍎岡本太郎🍎山口晃🍎舟越桂🍎森村泰昌🍎清水九兵衛🍎草間彌生🍎村上隆

  • カール・ミレス《太陽の輝き》

室内展示場2会場を使用した、大規模写真展

本展は「本館ギャラリー」と「緑陰ギャラリー」の2会場を使用して篠山の写真世界を紹介します。「本館ギャラリー」では、ヘンリー・ムーアをはじめとした野外彫刻作品を3つの展示室を使って展示します。もう一つの会場となる「緑陰ギャラリー」は当館で一番広い展示スペースとなり、アーティストたちへのオマージュ作品が並びます。
 つまり、「篠山紀信写真展 KISHIN meets ART」とは、2つの異なるテーマの展覧会を一度に楽しめる内容となっています。篠山の多彩な仕事を紹介するにふさわしい、新しい切り口の展覧会です。

  • カール・ミレス《人とペガサス》

共通するテーマは「アート」

今回、篠山ははじめて野外彫刻の撮影にチャレンジしました。まさに彫刻というアートに挑んだのです。また、過去に撮影した様々なアーティストとの関わりも、篠山とアートとの出合いが共通のテーマでした。篠山という希有な写真家を通してみた世界と、当館を訪れた一人一人が感じる世界、そのいずれにもアートがあります。
 KISHIN meets ARTとは、篠山とアートとの出合いであり、さらに私たちのアートとの出合いでもあります。