ピカソは、創作を引き起こす原動力となり作品を構成する重要なモチーフに、自分自身を重ねあわせ、度々、作品に登場させます。あるときは半獣半人の怪物ミノタウロスに。またあるときはモデルを描く画家として。そこに描かれているのは、愛と悲しみ、暴力と死、そして生きる歓びです。このような同一視は、湧き起こる感情をおさえ込む手段であり、心のうちをかたちにする方法であったと言えるでしょう。今回の展示では、コレクションを20のテーマに分け、創作モチーフからピカソ像を読み解く機会になりますと幸いです。
- 会期
- 2025年6月29日(日) 〜
- 展示総数
-
135点
(パブロ・カルガリョ1点、デイヴィッド・ダグラス・ダンカン8点含む)
展示構成
ピカソの制作モチーフ(動機)に焦点を当てた20の主題(テーマ)で構成しています。
ひとつのテーマの中には、作品のさまざまな技法や制作年が見られます。
展示室 1 26点 大型サイズの平面作品やタピスリーを展示
テーマ
- 画家とモデル
- ミノタウロス
- キュビスムの表現
- 女の顔
- 子供
- 男の顔
- カリカチュア(戯画)

タピスリー
展示室 2 57点 セラミック(陶芸)を展示
テーマ
- 丸い顔
- 動物
- 鳥
- 牡牛と闘牛士
- 四角い顔
- 静物
- 人物
- ゆかいな顔

セラミック
展示室
3
52点
小中型の平面作品と小型の立体作品、
「ミステリアスピカソ」の放映
テーマ
- 男と女
- 音楽と宴
- 晩年
- タウロマキア(闘牛)
- 牧神とバッカス祭
- 記録写真「闘牛の絵付け」

シュガーリフト・アクアティント、紙
「ミステリアスピカソ」の放映
ピカソが描き出す絵だけをとらえた記録映画で、展示作品《コンポジション1955年夏》(展示室1)の原画が、実際に描かれている場面を観ることができます。
下書きなしにインクペンが縦横無尽に走り、点と線で区切った部分をつなぎあわせるような制作から、ピカソの脳裏に生まれる閃きに立ち会うことができます。