彫刻の森美術館は、⽇本で初めての野外美術館として1969年に開館し、今年で55年を迎えました。これまでに収集された作品は、2,000点余りにおよびます。
今回は、そのコレクションの中から近・現代彫刻の優品を選び、時代の流れに沿って展⽰します。また、彫刻の森美術館 開館55周年記念「舟越桂 森へ行く日」(本館ギャラリー、2024年7⽉26⽇〜11⽉4⽇)の関連として、⾈越桂とゆかりのある現代作家の作品を選りすぐり展⽰します。現代へと続く彫刻の展望をみる機会になりますと幸いです。
展示概要
- 【展覧会名】
- 「彫刻の森美術館 名作コレクション +⾈越桂選」
- 【会期】
- 2024年7月6日 (土) ~ 12月1日 (日)
- 【会場】
- 彫刻の森美術館 アートホール
- 【開館時間】
- 9:00 〜 17:00 (入館は閉館の30分前まで)
- 【休館日】
- なし(年中無休)
- 【主催】
- 公益財団法人彫刻の森芸術文化財団
- 【協力】
- 西村画廊、小山登美夫ギャラリー、Sandwich Inc. 、シュウゴアーツ
- 【出品点数】
- 所蔵作品21点(作家14名)、⾈越桂選 出品作品7点(作家5名)
彫刻の森美術館 名作コレクション Masterpiece Colection
メダルド・ロッソ、ボッチオーニ、荻原守衛、朝倉⽂夫など近代彫刻の名品や、ブランクーシ、ジャコメッティ、⾈越保武、清⽔九兵衛といった20世紀を代表する彫刻家の作品をご覧いただけます。
出品作家:
メダルド・ロッソ、萩原守衛、コンスタンティン・ブランクーシ、アメデオ・モディリアーニ、アンリ・ローランス、ウンベルト・ボッチオーニ、アルベルト・ジャコメッティ、⾈越保武、清⽔九兵衞ほか
+舟越 桂 選 Katsura Funakoshi Selection
本展のために舟越桂氏から選出していただいた現代作家5名の作品を展示します。長年の友人である三木俊治氏、東京造形大学で共に教鞭を執った仲間の保井智貴氏、丸の内ストリートギャラリーで共に展示を行った名和晃平氏、松濤美術館で開催した「アニマルハウス」で競作をした三沢厚彦氏と杉戸洋氏の作品をご紹介します。また舟越、三沢、杉戸、画家小林正人4氏が共同制作した「オカピのいる場所」を特別展示します。
作家略歴
三木 俊治
1945年栃木県生まれ
東京造形大学美術科彫刻専攻卒業
1982年第3回高村光太郎大賞展 [佳作賞] 彫刻の森美術館/神奈川。1985年第1回現代日本具象彫刻展 [大賞]千葉県立美術館。1996年美ヶ原高原美術館15周年記念「TUES1996 - 三木俊治」美ヶ原高原美術館/長野県。1998年「第15回神戸須磨離宮公園 現代彫刻展」神奈川立近代美術館賞、宇部市野外彫刻賞/兵庫県。2006年「大地の芸術祭 − 越後妻有アートトリエンナーレ」新潟県越後妻有。2015年「UBEビエンナーレ」宇部市ときわ公園/山口県。2019年「茶室と現代美術 – 和美wabi・西美sabi」遊美工房、円通寺、倉敷市玉島六茶室/岡山県。現在、東京を拠点に活動。
三沢 厚彦
1961年京都府生まれ
東京藝術大学大学院美術研究科修士課程彫刻専攻修了
2000年に動物の姿を等身大で彫った木彫「ANIMALS」シリーズの制作を開始。同年より西村画廊/東京で個展開催。
その後も現在まで各地の美術館で個展を多数開催。近年の主な個展に2017年「三沢厚彦アニマルズ 謎の館」松濤美術館/2023年「三沢厚彦 ANIMALS/Multi-dimensions」千葉市美術館/2024年「三沢厚彦 ANIMALS IN NIIHAMA」新居浜市美術館など。
主な受賞歴に2001年第20回平櫛田中賞受賞。2005年第15回タカシマヤ美術賞受賞。2019年第41回中原悌二郎賞受賞。現在、武蔵野美術大学造形学部彫刻学科特任教授。
杉戸 洋
1970年愛知県生まれ
愛知県立芸術大学美術学部日本画科卒業
主な個展に、2006年「Focus」フォートワース近代美術館/アメリカ、2015年「天上の下地 prime and foundation」宮城県美術館、2016年「こっぱとあまつぶ」豊田市美術館/愛知県、2017年「とんぼ と のりしろ」東京都美術館、「チリと見返し」小山登美夫ギャラリー六本木/東京など。主なグループ展に、2009年「ウィンター・ガーデン:日本現代美術におけるマイクロポップ的想像力の展開」原美術館/東京、2010年「絵画の庭―ゼロ年代日本の地平から」国立国際美術館/大阪など。2017年第68回芸術選奨文部科学大臣賞。現在、名古屋と東京を拠点に活動。
保井 智貴
1974年アントワープ/ベルギー生まれ
東京藝術大学大学院美術研究科彫刻専攻修了
2005年第34回中原悌二郎 [優秀賞受賞]。2006年「保井智貴展」中原悌二郎記念旭川市彫刻美術館/北海道。2014年「保井智貴 佇む空気/silence」彫刻の森美術館/神奈川。2020年「高松コンテンポラリーアートアニュアル vol.09 “時どきどき想像”」高松市美術館/香川。2021年「神宮の杜芸術祝祭 “気韻生動‐平櫛田中と伝統を未来へ継ぐものたち”」明治神宮宝物殿/東京。2022年AGAIN-ST 10th Exhibition。2023年「皮膚と骨 ‐グラデーションに沈むモノコト‐」彫刻家の家/香川。現在、武蔵野美術大学彫刻学科教授。
名和 晃平
1975年大阪府生まれ
京都市立芸術大学大学院美術研究科博士課程彫刻専攻修了
2009年京都市伏見区に「Sandwich」を創設。近年では、アートパビリオン《洸庭》など、建築のプロジェクトも手がける。2015年以降、ベルギーの振付家/ダンサーのダミアン・ジャレとの協働によるパフォーマンス作品《VESSEL》《Mist》《Planet [wanderer]》の三部作を制作。2018年ルーヴル美術館ピラミッド内にて彫刻作品《Throne》を特別展示。2023年フランス・セーヌ川のセガン島に高さ25mの屋外彫刻作品《Ether (Equality)》を設置。現在、Sandwich Inc. 代表、京都芸術大学教授。